今の職場を辞めて、新しい職場を探すことを躊躇する人は結構多いものです。
その大きな理由として、就活と異なり、看護師の転職活動は一人で進めていく必要があります。
しかも転職活動には様々な方法があり、どのやり方が正解とも一概には言えません。
転職初心者の場合、迷ってしまうことになります。
そういった不安もあって、病院や施設に不満があっても中々転職を決断できないという状態になる人が多いのです。
しかし、物は考えようという言葉があります。
実は転職、転職活動と言っても看護師としての日常業務が遂行できていれば、まったく恐れるものではありません。
ここでは、看護師の日常業務を転職活動に活かす方法を提示していきたいと思います。
転職活動のやり方がよく分からない初心者、もしくは転職活動自体が面倒だと感じている人には特におすすめです。
まずは転職を考えた時に最低限やっておかなければならないことを4つに絞りました。
①情報収集
病院ホームページや看護師専門の転職サイトを利用して採用情報を探しましょう。
各サイトにはそれぞれのメリット・デメリットがありますので、複数の情報源を活用することが大切です。
②自己分析
転職を成功させるためには、自分の強みやスキル、求める職場環境や条件を把握しておくことが重要です。
③求人票の確認
職場見学時のチェックポイントや、求人票で確認したい項目についても注意してください。
給与や労働条件、職場環境などが実際の求人票と一致しているかどうかを確認しましょう。
④面接試験のマナー・注意点
面接試験では、途中採用や転職に関する質問が生じます。
面接試験での注意点やマナーについても十分に理解することが必要です。
もし転職活動が初めてだとしても、看護師の日常業務を再確認し、転職活動にあてはめることができます。
まず看護師の一日の業務をイメージしてみましょう。
以下、一般的な一日のスケジュールを大まかに挙げてみました。
午前 | 出勤~情報収集・申し送り~朝のラウンド~手術出し・検査出し~昼食の準備・配膳・食前後の配薬 |
お昼休憩 | |
午後 | 午後のラウンド~病棟カンファレンス~看護記録の記入~申し送り~終業 |
・情報収集
ここで重要なのは「情報収集」です。
疾患や治療方針などの基本の患者情報や処置や検査などの優先度の高い情報などをチェックしているはずです。
転職活動するにあたってもまず何よりも情報収集が大切です。
就活でも求人検索や企業研究などを経験済みだと思います。
その情報はどこから得られるのか?と考えると以下の通りです。
・スケジュール管理
看護師の業務はスケージュール管理ありきで進めていく必要があります。
転職活動も同じで最初に数値目標(〇月〇日までに転職する!)を決めましょう。
・報連相
報連相ができていれば、面接対策はその応用です。
自分が何者で、なぜ転職をして、この病院(施設)で働こうと考えたのかを面接官に報告します。
報連相はI-SBAR-Cで構成されています。
I-SBAR-Cは、医療従事者同士のコミュニケーションを改善するために開発されたフレームワークです。
特に、看護師が医師に対して患者の状態や変化を伝える際に使用されまています。
各項目は以下のようになっています。
I (Introduction) | 自己紹介を行い、自分の役割や立場を明確に伝えます。 |
S (Situation) | 患者の現状や問題をはっきりかつ簡潔に伝えます。 |
B (背景) | 患者の病歴や現在の治療計画、過去の経過など、状況を理解するための背景情報を提供します。 |
A(評価) | 看護師が行った評価や観察結果を伝え、問題の重要性や緊急性を示します。 |
R (推奨) | 看護師が推奨する対処法や治療方針、追加検査などを提案します。 |
C (Closure) | 最後に、受け取り手が情報を了解し、次のアクションを取ることに同意したかどうかを確認し、コミュニケーションを終了します。 |
I-SBAR-Cは、患者の安全対策や効果的なケアにつながる効率的なコミュニケーションを図るために設計されていますが、自己紹介から始まり、現状・問題、転職の理由、キャリア・実績、新しい職場への提案、最後に確認のように考えれば、よいでしょう。
・看護記録
看護記録は自己分析に応用できます。
・申し送り
申し送りをまとめると退職時の引継ぎになります。
以上のように普段から行っていることを転職活動に応用するだけだと考えれば、それほど難しいことではないことが分かると思います。
特に看護師転職サイト(転職エージェント)を活用すれば、情報収集にかける手間やコストを削減できるでしょう。